NEARセンター概要
理念・目的
北東アジア地域とは、中国、台湾、韓国・北朝鮮、モンゴル、シベリア以東の ロシア、そして日本を包括する地理的概念です。北東アジア地域研究センター[Institute for North East Asian Research ―― NEARセンター]では、島根県の歴史的・地理的独自性を生かしつつ、国際的刺激を積極的に受容して、日本における北東アジア地域研究の知的拠点となることを目指しています。また、大学という学術・学問の府に備えられた教育・研究機関としての任務を果たすべく、北東アジア地域が真に平和かつ公平な繁栄と発展を遂げるための学術的貢献をおこなっていきます。
北東アジア地域研究センターは、2000年4月島根県立大学の開学とともにスタートし、世界的な視野から北東アジア研究を行うものです。地域研究とは、現地研究(フィールド科学)に根ざして人文科学、社会科学、自然科学を統合的・俯瞰的に再構成しようとする学問的営為です。それは、まさに現代の科学研究の全体像を再構築しようとする試みでもあります。NEARセンターは、この統合的・俯瞰的なアプローチによって地域研究に取り組むことを目指して設立されました。NEARセンターの研究は、これらの諸研究系を統合し、北東アジアの21世紀の新しい社会地域像を構築しようとするものです。
研究組織
沿革
1999年7月 北東アジア地域研究センター設立
2000年4月 島根県立大学開学
2000年8月 ニューズレター『NEAR News』創刊
2001年3月 紀要『北東アジア研究』創刊
2001年3月 第1次中期総合研究計画策定
2003年4月 大学院北東アジア研究科(博士前期・後期)・開発研究科(修士)開設
2006年3月 第2次中期総合研究計画策定
2006年4月 魅力ある大学院教育イニシアティブ
『実践的北東アジア研究者の養成プログラム』採択。実施に協力
2006年10月 市民研究員制度発足
2007年4月 公立大学法人島根県立大学設立
2009年4月 大学院研究科統合。北東アジア開発研究科へ
歴代センター長
2000〜2001年度 増田祐司
2002〜2003年度 勝村哲也
2004〜2005年度 別枝行夫
2006〜2007年度 宇野重昭
2008〜2012年度 井上治
2013〜2014年度 李暁東
2015〜2017年度 井上厚史
2018〜李暁東
研究・調査事業
北東アジア学創成プロジェクト
NEARセンターを中心として、「北東アジア学」の創成を目指し、その中核組織として「北東アジア研究会」を組織しています(年4回開催)。
■2018年度 ■2017年度 ■2016年度 ■2015年度 ■2014年度 ■2013年度
■2012年度 ■2011年度 ■2010年度 ■2009年度 ■2008年度 ■2007年度
■2006年度 ■2005年度以前
日韓・日朝交流史研究プロジェクト
日本と朝鮮半島を中心とする北東アジア地域の交流促進を目指し、学術的な立場から幅広く日韓・日朝関係の歴史とそれを巡る国際関係を分析することを目的に「日韓・日朝交流史研究会」を組織しています(年4回程度開催)。
■2018年度 ■2017年度 ■2016年度 ■2015年度 ■2014年度 ■2013年度
■2012年度 ■2011年度 ■2010年度 ■2009年度 ■2008年度 ■2007年度
■2006年度 ■2005年度以前
北東アジア地域研究
「北東アジア学」の創成の課題をより豊かな視点からアプローチすることができるように、各研究員がそれぞれの専門・人脈により研究会を立ち上げ、内部・外部資金を獲得し、個性ある研究を推進しています。
超域アジア研究
センターを中心に大学院との連携を図りつつ、全国的にもユニークな「北東アジア超域」専攻を有する大学院教育の実質化を側面から支援すべく、各研究員が「超域」を志向した研究に取り組んでいます。そこでは、多様な史的展開、多角的なヒト・モノ・文化が接触・交流する中で形成されてきた北東アジア世界を、地域の国際化・グローバル化がさらに進行する未来を眺望しながら、人文科学・社会科学の個別学問諸分野の域を超えて学際的に追求する、二重の意味での「超域」研究が展開されています。
西周研究
幕末から明治にかけ東西の思想を学び日本の近代化を推進した、西周の研究を通じて、新たな学術的展開を図るべく、研究会が運営されています。その成果は、島根県立大学西周研究会編『西周と日本の近代』ぺりかん社、2005年として公刊されました。また毎年秋には、西周の出身地である津和野町で市民参加のシンポジウムを開催しています。
■西周研究会について
研究交流・地域交流
各種研究機関との連携
北東アジア研究交流ネットワーク(NEASE-Net)、地域研究コンソーシアム、島根県中山間地域研究センターなどと連携を図り、共同研究、シンポジウムの共同開催などを行っています。また研究関心を共有する研究機関と学術交流協定を締結して研究を推進しています。くわしくはこちらをご覧ください。
海外大学との連携
本学の交流協定校など海外大学等とのネットワークを活用し、学術交流分野をNEARセンターが組織として主体的に担い、具体的な成果を計画的に出しています。
地域交流の展開
北東アジア地域研究センターでは、研究活動の地域還元という形での地域貢献に積極的に取り組んでいます。その一つが「市民研究員」制度というユニークな連携体系です。これは、市民の方々の中から、大学院生や教員と共に、広い意味での北東アジア研究に関し共同研究を進めることにより、キャンパスの外の発想を大学に持ち込んで、大学院教育と研究を刺激するという制度です。